『信長の野望・創造 戦国立志伝』は、2016年3月23日にコーエーテクモゲームスから発売された歴史シミュレーションゲームで、同社の代表的シリーズ『信長の野望』の一作です。本作は、前作創造をベースにシリーズ初となる「武将プレイ」を導入し、プレイヤーが一人の武将として遊ぶことができる唯一の作品となっています。
ゲーム内容
武将プレイ:一人の武将として乱世を生きる
本作最大の特徴は、プレイヤーが大名だけでなく、家臣や城主としてもプレイできる「武将プレイ」の導入です。これにより、下剋上や立身出世といった戦国時代のリアルな人間ドラマを体験できます。プレイヤーは、家臣として功績を上げて城主や大名へと昇進したり、逆に大名から家臣へと転落することもあり、プレイスタイルに応じた多様な展開が楽しめます。
箱庭内政:自分だけの領地開発
内政システムには「箱庭内政」が採用されており、プレイヤーは与えられた領地の地形や資源を考慮しながら、自由に施設を配置して領地を発展させていきます。施設の配置や組み合わせによって得られる効果が変化するため、戦略的な都市計画が求められます。また、家臣、城主、大名といった身分によって内政の規模や内容が変化し、立場に応じた内政の楽しみ方が可能です。
合戦システムの進化:攻城戦と海戦の導入
戦闘システムも進化しており、攻城戦や海戦が新たに導入されています。攻城戦では高低差を活かした戦術が求められ、守備側が有利な地形を利用して防衛することが可能です。また、海戦は発生頻度は少ないものの、海上での戦闘が楽しめる新要素となっています。さらに、プレイヤー武将が直接戦闘に参加する「武将視点」も追加され、突撃や斉射といったアクションが可能となり、戦闘の臨場感が増しています。
歴史イベントとIF展開:大坂の陣までをカバー
本作では、従来のシリーズ作品では描かれなかった「大坂の陣」までのシナリオが用意されており、1615年の豊臣家滅亡までをプレイできます。大坂の陣のシナリオでは、真田信繁や後藤又兵衛、木村重成、毛利勝永といった戦国後期の武将たちが活躍し、ムービーやイベント会戦が多数盛り込まれています。また、IFルートも用意されており、徳川家康を夏の陣で討ち取るといった展開も可能です。
惣無事令:ゲーム終盤の作業感を軽減
一定の条件を満たすことで発令可能な「惣無事令」により、全ての城を制圧せずともゲームを終えることができ、終盤の作業感が軽減されています。これにより、シリーズ作品でよくある「隅っこが有利」ということがなく、戦国時代に大名が中央を支配したがる理由が分かるようになっています。
ユーザーレビューと評価
Steamでのユーザーレビューは「やや好評」で、2025年5月現在は769件中72%が好評と評価しています。プレイヤーからは、武将プレイや箱庭内政、合戦システムの進化などが高く評価されています。一方で、武将プレイ時の所属大名AIの挙動や武将プレイの内容の薄さに関する指摘もあり、ボリューム不足との意見も見受けられます。
個人的な評価としては
良かった点
- 攻城戦や海戦ができるようになった
- 内政で施設の建て替えが簡単になった
- 家臣団(小姓や旗本等)を編成できるようになった
悪かった点
- 自作イベントも導入できますが、作成上限が100と少なく、ゲームに反映できるイベント数は20と更に少なくなる。
- せっかくの武将プレイなのに、親子間や兄弟間の会話で○○殿とか呼ばれてしまう等、作り込み不足。
- 各城の区画を増やす場合に他の城と干渉してしまう。
以上
総評
『信長の野望・創造 戦国立志伝』は、シリーズ初の「武将プレイ」を導入し、戦国時代を一人の武将として生き抜く体験を提供する意欲作です。箱庭内政や進化した合戦システム、歴史イベントの充実など、シリーズファンのみならず、戦略シミュレーションゲームを好むプレイヤーにも楽しめる内容となっています。
内容についてはレビューで指摘したような作り込み不足はあるものの、2025年時点ではシリーズ内で唯一の武将プレイができる作品なので、おすすめははしますが購入はセール時期にするのが良いでしょう!